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精神病棟に入れられた主人公を巡る物語。婦長退治、精神病患者の指揮向上という単純な方向性で描かれたものではなく各シーンからメッセージを感じ取る必要がある。緩急が繰り返しつけられており最後まで飽きることなく魅せられる。とにかく明朗なジャックニコルソンの役柄とその周囲の反応が微笑ましい。患者の過去についてはまったくと言っていいほど触れることがないのだが、それがかえって登場人物の魅力を引き立てている。ある種余計なものは全て省いていると言える一方、何か命題を提示されてそれを追うという形でもない。そのバランス感覚が心地よい。単なるハートウォーミングに終わらないメッセージ性が確かにある。75年アカデミー賞作品賞をはじめ5部門を獲得した作品。
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